鍍金(めっき)工場・訪問記録

土壌汚染対策法

こんにちは。宮本です。

今週は鍍金工場に行ってまいりました。「鍍金」とかいて「めっき」と読みます。

(1)鍍金という言葉の成り立ちは?

 google先生のai機能によれば、
 水銀に他の金属を混ぜ合わせ、それを処理したいものの表面に塗り、熱によって水銀を蒸発させ他の金属を付着させる方法、これをアマルガム法といいます。分析でも水銀分析には、金アマルガム法と呼ばれる分析法がありますね。
 これが古くから利用されてきためっきの方法で、当初は、塗金(ときん)と呼ばれていたようです。しかしながら、 水銀に金を溶かし込むと金色が無くなり水銀の銀色になります。その不思議な現象で金が滅するという意味から滅金 (めつきん)と呼ばれるようになり、いまでは、鍍金(めっき)へと変化して、呼ばれるようになったとか。

 なお、鍍金の鍍の漢字が常用漢字で無いことから、新聞などの表記ではめっきやメッキが使われるようになったようです。このように、読みやすさなどからカタカナのメッキが使われることも多いのですが、めっきは歴史ある日本語です。
 日本産業規格(いわゆるJIS)では、「めっき」が正式な表記方法になっています。

(2)鍍金の種類は?使用される特定有害物質は?

鍍金の種類には、
・クロムめっき
・ニッケルめっき
・銅めっき
・亜鉛めっき
・金めっき
・銀めっき
などがあります。めっきの種類によって使用される特定有害物質が変わります。

めっきは、めっきしたいものをめっきしたい金属の液槽に入れるのですが、その金属の液槽の種類を「浴」といいます。
浴の組成に応じて、「シアン浴」「ワット浴」「クロム酸-硫酸浴」等と呼びます。これら浴の組成のなかに特定有害物質が含まれております。
なお、めっきでよく使う物質が、クロム酸・ホウ酸・シアン化合物(青酸化合物)です。
それぞれ特定有害物質名で示すと、六価クロム化合物・ほう素及びその化合物・シアン化合物となります。

また、電解めっきでは、電極に鉛電極を使用します。また脱脂工程でトリクレンなどの第一種特定有害物資を使用することがあります。特定有害物質名で示すと、鉛及びその化合物・トリクロロエチレンとなります。そのほかにフッ酸を使用することもあります。特定有害物質名で示すとふっ素及びその化合物ですね。

(3)地歴調査で重要なことは?

このようなめっき工場での土地利用履歴調査では、
①どのようなめっきをしていたか。
②使用していた物質はなにか
③電極の素材はどうか
④脱脂工程はどうか
ということが重要になります。
また、排水経路や処理施設はどうかということも重要になります。配管は埋設式?架空式?処理施設のピット深度はどれくらいの深さ?ということです。

このほかに、今週の訪問先・調査先は次のとおりです。
【訪問先】
 一宮市(第3条)、関市(特定施設継続監視)
【現場】
 富加町:状況調査(第3条)/岐阜県
 春日井市:条例調査(残土条例)/愛知県
 碧南市:状況調査(自主)
 枚方市:状況調査(自主)/大阪府
 大阪市:深度調査(第4条・自主)
 知立市:深度調査(自主)/愛知県

今後ともよろしくお願いいたします。

コメント