分析の精度管理

土壌汚染対策法

一般社団法人日本環境測定分析協会が主催する分析の精度管理に参加しました。

 弊社が日々実施している分析が、正しい値に近い(真値)どうかを第三者機関に確認してもらう技能試験です。一般に外部精度管理といいます。

 語弊を恐れずに簡単いえば、外部機関(日本環境測定分析協会)が、調製(準備用意)した分析試料(水)を、弊社が分析して、外部機関が調製した濃度と比較して結果がどうだったかということです。

 沢山の分析機関が参加をして、自社の分析精度を確認します。

 逆に、こういうことに参加していない分析機関の分析結果は、少し疑わしいということも言えます。例えば、0.01mg/Lという基準値の特定有害物質を測定した場合、真値は0.009mg/Lだったとしても、分析精度が悪くて、正の誤差が生じている時、0.015mg/Lといった結果にもなりうるわけで、土地の所有者の方とっては、汚染ではなかった場所が、汚染とされる可能性もあるということにつながるわけです。土地の所有者の方にとっては死活問題になりかねません。

 こういうことを防ぐために、外部の精度管理に参加して、自社の分析精度がどのような状態にあるか確認をするわけです。

 今回の対象は、水中の金属分析というこでした。測定対象は、アルミニウム・全クロム・亜鉛・セレンでした。土壌の溶出試験(土壌溶出量調査・土壌溶出量基準)は、土壌を前処理して得られた検液(水)を分析するということから、本技能試験は、弊社が実施している分析の精度を確認管理できるということになります。

 弊社は、土壌汚染対策法に定める特定有害物質をメインに測定していることから、土壌の基準項目であるセレンが重要です。また六価クロムの測定には、全クロムの測定結果も重要な管理要素となることから、全クロムの測定も重要となります。

 ISO/IEC 17043(JIS Q 17043)に基づくZスコア法による評価によると、

 |Z|が 2以下   であれば、「満足」
 |Z|が 2超過3未満であれば、「疑わしい」(改善の必要があるか検討)
 |Z|が 3以上   であれば、「不満足」(改善措置が必要)

 となります。(※|Z|は絶対値Zを示しています。なお、絶対値で示すのは測定誤差には正の誤差・負の誤差のどちらもが存在するからです)

 弊社の結果は、Zスコア(|Z|)
 全クロム・亜鉛・セレンが1未満、アルミニウムが2未満でした。よって結果は満足ということになります。

 今後とも、正確な分析(計量)で、皆様の土地の調査を実施してまいります。よろしくお願いいたします。

 HSSエンジニヤリング 宮本

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